すると、こっちに視線を向けた識くんは私の手首を掴んで引っ張ってきて。
「…来て、俺の話聞いて」
そう一言言った識くんはすぐに私の腕を引き走り出した。
走るの……!?と思って驚きながらもついて行く。
チラッと春哉くんの方に目線を向けると、春哉くんは楽しそうに笑いながらこっちを見ていて。
……ありがとう、春哉くん。と心の中でお礼を言って走った。
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二年二組の教室に来て入ると、そこにはもう誰もいなくて。
……私、ここで初めて識くんと出会ったんだよね。
あの時の出会いは最悪だったけどなあ……と思ってクスッと笑ってしまう。
「…ねぇ識くん。なんで場所わかったの?」
「……教室で雪音のこと待ってたら、友達から雪音が第二校舎に行くところ見たって聞いたんだよ」
「そうなんだ…」
「嫌な予感がして走ったけど、やっぱり春哉といたんだな」

