え、嘘、なんで……?
一瞬私を見た識くんは、すぐに春哉くんの方を見ると悔しそうに顔を歪めて。
驚いて立ち尽くしていると、後ろにいる春哉くんの方からフッと笑う声が聞こえた。
それと同時に、後ろから腕を回されてグイッと引き寄せられた。
識くんを見つめたまま後ろに引かれ驚いて春哉くんの方を見る。
すると、そこには思っていたよりも近距離にある春哉くんの顔。
ほぼ、抱きしめられているようなものだった。
わけも分からず困惑していると、春哉くんは識くんの方を見て煽るように笑って。
「なあ識」
「…っ」
「俺は花染が好きだ。識にはその気がないんだろ?なら俺が奪うよ」
その春哉くんの言動に、驚いて目を見開く。
ど、どうしたの当然……っ?
春哉くんの表情や言葉は、どこか識くんを試しているように思えて。
識くんをチラリと見ると。
「……春哉」
「…なに」
「俺は……特定の誰かを好きになることなんて一生ない」
「…っ」
「……って思ってたよ。でもごめん春哉」

