「見てればわかるのは花染だけじゃない。識のことも見てればわかる」
「……!」
「俺は……親友にも好きな人にも幸せになってもらいたい」
そう言った春哉くんに泣きそうになってしまう。
春哉くんが、識くんのことを親友と言った。
それが嬉しくて胸がいっぱいになる。
……ちゃんと言わなきゃ。断らなきゃ。
「……春哉くん、ごめんなさい」
「……」
「好きになってくれてありがとう」
「…ああ」
真剣な顔をして、春哉くんを見つめると。
分かっていたとでも言うように、切なそうに笑って頷いた。
……こんなにも辛くて苦しいんだ。
そう思って、ギュッと手を握りしめた時。
後ろの方からバタバタと走る足音が近づいてきて。
それに気づいた私たちは、そっちに目線を向けると。
「……っ雪音!」
「…え」
そう、焦ったように息を切らして走ってきたのは識くんだった。

