シュガートリック





でも私が言いたいことは言えたから。

識くんは一度俯いてから、またパッと顔を上げる。
その表情はさっきまでの弱々しいものとは違い、どこか覚悟したような表情で。


「よしっ行こう識くん!チャイムなっちゃうよ……!」

「…ふっ、でもそんなに焦ってないでしょ」

「…ふふっ、バレちゃった」


識くんに早く立って!と急かすと、優しく笑ってそう言ってきて。

それが嬉しくて私も笑ってしまう。

調子戻ってきたみたい、と安心して二人で校舎に戻った。



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放課後。

さっき先生に呼ばれたから職員室に行ってきて、今はプリントを渡されて教室に帰ってきたところ。

鞄に荷物を入れて、帰ろうと歩き出す。


人も少なくなってきていて通りやすい廊下にいつもよりも気を抜いてしまう。


他のクラスの前を通って、角を曲がる直前にある資料室を通った時。


────グイッ


「…っ、きゃあ」