シュガートリック





なんて思うとまた胸が苦しくなる。

階段を降りて玄関に向かおうと歩いている時。

進行方向とは真逆の廊下から、聞きなれた声が聞こえてきて。

反射的にそっちを向いてしまう。


…っ、あ。


「あははっ、そうだよね〜っ!」

「ほんと識面白〜い!」


識くんだ……。

そこには、女の子達数名に囲まれた識くんがいた。
識くんは笑顔で対応しているが、よく見ると少し困っているようにも見える。

……大丈夫かな。


「あっ、そうだ!ねぇ見てほしいものがあるの!」


すると識くんの目の前にいる子が手を挙げて話し始めて。
それに、そこにいる子達がみんな注目して。


「じゃ〜ん!見て〜!これ、期間限定のネックレス〜っ!」

「え!?これあのブランドの……!?すぐ完売したやつ!しかもめっちゃ高い!」

「そーなの!パパとママが誕生日プレゼントにサプライズでくれて〜」

「えーいいなあー!」