あまりの切り替えの速さに驚きながらもお礼を言うと、満足したように笑って女の子達の間をすり抜けて行った。
それに私も必死についていく。
「…あの、識くん……よかったの?」
「雪音の方が大事でしょ」
「え……?」
「油断すると雪音声かけられるからね。さっきも後輩に声かけられそうだったじゃん。春哉に助けられてたのは癪だけど」
「……あ」
大事って……っ!とドキッとしてしまう。
識くんが言ってるのって、体育祭実行委員でグラウンドにいた時のことだよね……?見てたんだ……。
さりげない識くんの優しさに、さっきからドキドキしっぱなしだ。
「ありがとう……」
「ん、どういたしまして」
「…っへへ」
改めてお礼を言うと、ふわっと笑ってくれた識くんに笑みがこぼれる。
すぐにテントについて、じゃあねと識くんは戻ってしまった。
私はそのまま自分の席に戻ると。

