そう言った女の子が、ベッタリと識くんの腕に抱きついて。
また胸がズキンと痛む。
さっきまで識くんと一緒にいたのが嘘かのよう。
見たくなくて俯こうとした時。
「…んー、ごめん、俺最近気分が乗らなくてさ〜」
「…え、」
「ほんとごめんね?」
「あ…っ、うんそういう時もあるよね……っ!」
識くんは口角を上げたまま、女の子の腕を自分から引き離して。
笑っているようで、笑っていない顔。
そんな顔で謝る識くんの圧に、驚いて困惑した女の子。
ハッとした女の子は識くんの機嫌を取るかのように顔を引きつらせて言葉を振り絞っていて。
すると周りにいた女の子も、雰囲気を感じ取ったのか無理に笑いながら一歩下がっていた。
私も驚いていると、識くんはくるっと私に振り返って。
「俺が雪音のクラスまで送ってあげるね」
「…っえ、あ、ありがとう……」
なんて言って感情が籠ったように笑うから、私も周りも呆然としてしまう。

