「し、識くん……っ」
「……」
「そろそろ離して……っ、ひゃあ」
我に返った私は、識くんの胸板を軽く叩いて離れてもらうように言うけど。
離れるどころか、首元に少し痛みが走って。
か、噛まれた……っ?!
ガブッと行かれた気がした。
……いや、絶対に行かれた。
「っちょ、ま……っ」
「……ふ」
全身がぶわっと熱くなって、頭がパンクしそうになる。
すると、識くんはそのまま顔を上げて意地悪そうに笑った。
ち、近い……っ。慣れてるよこの人……っ!
「その顔可愛すぎる」
「ぅ…っ、あ」
「……首まで真っ赤。雪音のこんな顔見れるの俺だけだよ。……もちろん、こんな顔にさせるのも俺だけ」
「……っな、どういう意味……っからかってるの……っ?」
「…さあ、どうだと思う?」
なんでそうやって言葉を濁すの。
なんでそんな、余裕たっぷりに笑うの。
そんなの私の心臓が持たないよ。

