シュガートリック




すると、すぐに視線の先にいる識くんはまたこっちに体勢を変えてきて。

どうしよう、なぜか胸が苦しい……。


「きゃーっ!春哉くん!!」


そうギュッて目を瞑った瞬間、周りからの歓声にハッとした。
そうだ、春哉くんは……っ。

そう思って春哉くんを見ると、すぐ近くまで来ていて。


「……っ花染!」

「……え?」


私の目を見て逸らすことはなく、目の前に立った。

…っ、わ、たし……っ!?


「きゃーうそうそ雪音……っ!!」


流歌ちゃんが私を見て驚いたように大きい声を出す。
それに合わせて周りもザワっと余計騒がしくなって。


「一緒に来て」

「…っえ、あ、うん……っ」


まさか呼ばれるなんて思ってなかったから、戸惑いながらも返事をする。

一歩前に出ると左手首をギュッと握られて、そのまま走ろうとしていて。
現状が把握できていないまま、引っ張られようとした時。


「……っ待って!」