そうぶっきらぼうに言った春哉くんに、ふふっと笑った。
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『次は借り物競争です。選手は集まってください』
お昼を挟んで午後の競技になり。
そんな号令がかかると、周りが盛り上がり始めた。
……周りというか、隣のクラスの人達が。
「識ー!私を借りてね!!」
「おい識、お前ぜってー一位狙えよ!」
「識応援してるから!借りられるの待っとくね〜?」
そんな声が聞こえて察する。
識くん借り物競争出るんだ……。
少し楽しみだったりしちゃって。
あれ、でもうちのクラスって……。
「おい春哉、隣のクラスに負けんなよ!」
「春哉くんの走ってるとこ見れるとかラッキーすぎる」
そうだ、春哉くんだよね。
クラスの女子達が春哉くんに出て欲しいって押しすぎて、勝手に出ることになってたんだ。
だるそうに席を立ち入場口に向かおうとする春哉くんを見ると、一瞬だけ目が合った気がした。

