シュガートリック




「あの〜……」

「…花染……!」


男の人の足が目の前で止まって、声をかけられた時。

後ろから、焦ったように荒く私を呼ぶ声が聞こえた。

パッと後ろを振り向くと、春哉くんが少し強ばった表情で私の後ろに立って。


「……なんの用?」

「え、えっと……いや、なんでも……」

「なんでもねぇなら話しかけんな」


私の代わりに、怖い顔をしてそう言った春哉くん。
男の人は怯えたように離れて行ってしまった。


「…やっぱり、俺も花染と同じ場所にいる」

「え……?でも、春哉くんの場所は……」

「頼んできた。俺の場所と花染を交換しても、リレー始まったら男子と女子入れ替わるし」


そう言った春哉くんに、あ……と思う。
確かにそうだよね……。第一走者が走り終わったら第二走者の所に行くわけだし……。

ていうことは、やっぱり助けてくれたってことだよね……。


「ごめんね……ありがとう春哉くん」

「…別に、花染なんも悪くないだろ」