パッと顔を下に向けて、ギュッと目を瞑る。
「……わかった」
「…!」
「でも、俺が見てて体調やばいなって思ったら連れて行くから」
一回だけだからね、と言って諦めた識くんに心が軽くなる。
よかった……まだ耐えられる。
その言葉にこくんと頷くと、識くんは私のことを支えるように歩き出した。
識くんも体育だから行き先は同じだし、それに甘えて私も歩く。
その識くんの温もりは、安心できるものだった。
────────────────
「がんばれー!!!」
「きゃー!!識ー!!」
「まってまって春哉くんバカかっこいいんだけど!!」
今日の体育は一組対二組のバスケ試合で。
体育館の半分を女子、もう半分を男子が使っているが、試合に出ていない女子はほとんど男子の試合を見ていた。
……まあ、識くんと春哉くんが戦ってたら見たくはなるよね。

