シュガートリック





そう言った識くんは、私のおでこに手を伸ばして体温を確認する。

そのひんやりとした手が気持ちよくて、思わず目を瞑る。


「……ダメだ、雪音帰ろう」

「……え」

「結構熱あるよ。保健室まで連れてってあげるから」

「……っ」


真剣そうな顔をして言った識くんに身体が強ばってしまう。

……保健室?
……っ、そんなの。


「……い、嫌」

「……雪音?」

「お願い、嫌だ、保健室は嫌、怖い」

「ちょ、雪音……っ?」


震えたように言った私に、識くんの瞳は困惑の色が滲んでいる。

困らせているのはわかってるの。でも……っ、私、まだ大丈夫だから……っ。


「私は平気だから……っ」

「っ、平気じゃないでしょ」


必死になって識くんを見つめると、識くんは一瞬動きを止めて少し頬を赤くした。

その反応を見て、ハッとする。

だめ、顔上げないって決めたのに……っ、識くん相手だから油断してた……。