はぁ、とため息をついて湿布と氷の入った袋を手に取ると。
早足で保健室から出て扉を閉めた。
ドッドッと緊張と恐怖で鳴っていた心臓の音が収まってくる。
……早く、行かなきゃ。
そのまま早足で階段を登り、二組の教室まで急ぐ。
早歩きのまま目的地までたどり着き、さっきのようにドアから覗くと。
……女の人はいない。
そこには、ボーッとしたまま机に軽く座っている男の人の姿だけがあった。
その姿が、どこか寂しそうに見えて。
戸惑うことなく、私は教室に入りそこに近づいた。
───ヒヤッ
「……え?」
「……大丈夫、ですか?赤くなってますよ」
緊張しながらも無意識に袋に入れてある氷を頬に当ててあげると、驚いたように私に顔を向けた男の人。
「……君、」
少しして男の人が、私に話しかけてくると。

