シュガートリック





……っ、痛……。
……いや、痛くは、ない……?

恐る恐る目を開けると、後ろに倒れたはずなのに、何故か私は前向きに倒れていて。

少しだけ身体を起こすと、目の前には顔を歪めた日野くんの姿。


……っ!?!?


バッと離れて、後ずさる。

周りにはプリントがバラバラに落ちていて。
状況から察するに、私が倒れる前に体勢を変えて下敷きになってくれたのだろう。


……っそうじゃなくて!!!

あまりの顔に近さに、かああっと一瞬で熱が溜まってしまう。

絶対に、絶対に赤面はしたくなかったのに、抑えられるはずもなく。


初めてしっかりと見た、日野くんの大きい切れ長の瞳。

思ってた以上に綺麗な顔が、私の目の前にあって。


日野くんは、呆然と私をじっと見ていた。


「…っ、ごめ……っ!」

「……」

「…っ、ぅ、ぁ、あの……っ」