シュガートリック





帰りの時間だから、廊下に人が沢山いて。
誰とも目が会わないように、まっすぐ前だけを見つめる。


階段を降りて少し歩いたところにある職員室。
中に入ると、先生が私を待っていて。


「先生」

「あら、花染さん。わざわざ来てくれてありがとね」

「いえ、大丈夫です」

「渡したいプリントがあって……これなんだけど、」


机の上にあるプリントを私に渡して、その説明をしてくれる。

しばらくすると話が終わり、


「じゃあ帰っていいわよ。気をつけてね」

「はい、さようなら」


そう言った先生の言葉に挨拶をする。
そのまま職員室のドアまで向かって部屋を出た。

……人が少なくなったみたい。よかった。
周りに人があまりいないことを確認してホッと胸を撫で下ろす。

荷物取って早く帰ろう。
そのまま階段を上り、二年一組の教室まで歩く。