ロマンスにあけくれる




「……え、なに」

「………や、おかしいなあ、と」

「なにが?」

「………あの、誤解しないでほしいんだけど、わたしは都裄くんを傷つける気とかは微塵もなくて、」

「そういうのいいから。花穂さんは僕に対して何を思ったの」



ふたりで東屋から、近くの渡り廊下へと走り込んだ時。

パッパ、と水滴を払いながら、小さな声でつぶやいた。



「………都裄くんは、彼女さんにイメージ違いと言われたことは、ないですか」

「………………ねえ、ほんとなんでわかるの?花穂さん僕の振られ現場、いちいち目撃してたとかじゃないよね?」

「ち、ちがうよ……」



危惧した通り、都裄くんにあらぬ嫌疑をかけられてしまう。


しかもジト目で睨まれている。



「いや、なんというか、その……な、なんとくなく、とでも言いましょうか」

「マトモに話して二日でそんなにわかるもの?」



……わかってしまうものなんだと、わたしもいま気づいた。