さっき都裄くんのことを可愛いと言ったらすごく睨まれたから、おそるおそる。怖々と。伺いながら、途切れ途切れに言うと。
「……っ、」
「え、つ、都裄くん?」
ずざあっと、とんでもなく速いスピードでわたしから距離を取った。ほぼほぼ対角線と言っても過言ではないくらいに。
「この天然タラシ……っ!!」
「い、いきなり暴言?!そんなにかわいいダメだった?!」
「ダメに決まってるだろーがっっ!!!!アンタは特に!!!!」
平常時より口調が荒っぽい。それに加えてアンタと言われてしまった。
……残念だけど、かわいいは封印しよう。
「……くっそ……、狙うって言ったの、マジ失敗した……」
「都裄くーん、ばっちり聞こえてますよー……」
聞こえなかったフリをしようかと思ったけれど、ここは正直に言おうと小さな声で呟くと、ぎろりとすごい目で睨まれた。



