𓆩⋆𓆪‬



「────いやもうほんと、意味わかんない……」



放課後。誰もいない教室にて。

まるで告白でもされそうな時間帯だが、事実先程までこの場所で愛の告白がなされていた。


それも、わたし相手に、……なんだけど、



「気持ち伝えたいだけって何?言い逃げほど人を困らせるものはない……」



頬をぺとりと机にくっつけて、窓から差し込む夕日を浴びる。

……ひとって、むずかしい。


ついさっき、告白をされたはいいものの、返事をする前に、その男子は早口に返事はいらないと捲し立てて転がるように出て行ってしまったのだ。

ちなみに、似たようなことを過去に幾度もされた経験アリ。


けれど、諦めきれないのも、また事実なのだ。

例え、どれだけ告白の言い逃げをされようと。

例え、そのせいで女子の友達が、いなく、たっ、て……、………………。



「……なんでわたし、彼氏できないの?!」



なかばヤケクソになりながら、渾身の嘆き、もとい魂の叫びを夕日に投げかけるも、もちろん返答などありは……、



「……え?」

「……ア、」


あった。