「す、好かれてるの? これ……」

昨日といい、今日といい、行動のひとつひとつが怪しすぎて、気持ち悪い。

何を目的とした演出なのかもわからないし……。

「今日は渡したいものがある」

「……な、なんですか」

そばにきた先輩は、胸ポケットに入れていた黒いカードをスッと差し出してくる。

「あ……これ」

それは、あのポケットティッシュの袋にも入っていたチラシだった。

しずちゃんと顔を見合わせていたら、先輩はわたしの髪に手を伸ばしてきて……。

「刺激的な夜を、キミにプレゼントするよ」

色気のある声でそう囁いてくる。