「でもさ、榛名くん受け取ってないみたいだよ?」
「……え?」
「さっきから女子が話してるの聞いてなかったの?」
全然聞いてませんでした。
だって、聖里くんに堂々とチョコ渡してて羨ましくて……。
それなのに、受け取ってないって?
「彼女いるからいらないって断ってるんだって」
「……へ、へえ……ふへ」
「ほっぺた緩み過ぎね」
こんなので喜んじゃうわたしって、やっぱり単純かな。
聖里くん、わたしのことうれしくさせるの得意だね?
「で、自分はいつ渡すの?」
「……」
そうでした。
なんでそれだけで満足しちゃったんだろう、わたし。
うう……。
放課後、一緒に帰るときに渡せたらいいけど。



