藍くんと校舎裏に来て、人目のないところで抱きしめられた。



「言葉にしても信じられない。舞彩が俺の彼女なんて」



藍くんの体温をすぐそばで感じてるのに、わたしもまだ夢みたいで実感を持てないよ。

それでも、これが本当の出来事なんだよね。



「えへへ。両想い……だね」



好きな人と気持ちが通じ合えるのなんて奇跡って言われてるけど、こんなに近くにいて、こんなに素敵な藍くんと同じ気持ちなんて……。

嬉しくて頬が緩みっぱなし。



「っ……。なにそれ、可愛すぎ。もう我慢できないんだけど……」

「えっ……!」

「……けど、さすがに俺だけの想いでするわけにもいかないから」

「する……って?」



首をかしげて聞くと、藍くんが頬をほんのり赤らめて目をそらした。



「キス、とか」