双子だから桃綺が思ってることもよくわかる。


このあと話すことは、たぶん……。



「ごめん。そのセリフもっか……」

「はい、舞彩」



もう一度言わせようとした桃綺のから揚げを俺が取り、舞彩のお皿に移した。

舞彩の可愛さを独り占めなんてさせない。



「えっ!」

「桃綺のぶん。食べきれなかったら、俺が舞彩のぶんもらうよ」

「あ……じゃあ、お腹いっぱいになったらそうするね」

「藍都ー!」

「ほら、静かにしないとまた舞彩が困るよ」

「あとで覚えとけよ……」



舞彩に『仲良くして』って言われたばかりだから言い返せないのは当然。



「いいよ。舞彩を守るためなら桃綺でも勝負に乗る」



桃綺が舞彩に遠慮しないなら、俺もそのつもりでいく。


俺は舞彩が好き。



もう、隠すのはやめよう。