「私、好きな人に告白されて嬉しかったのに。私、やっぱり地味だし可愛くないし釣り合わないのわかってるのに舞い上がって、バカみたい! 千悠くんは、私のこと遊んでるんでしょ、ちょろい女だって」

 杏純ちゃんが、俺のこと好きだって言った!それだけでニヤける。
 一人、頬を緩ませていると彼女は立ち上がって出ていきそうな勢いだったから、とっさに手首を掴んだ。



「杏純ちゃん。ごめんね」

「……っ……」

「でも、好きな気持ちは本当なんだ。ただ、好きすぎて、引かれそうだからなんもいえなかっただけで。手も繋げなかたのは、杏純ちゃんのこと、愛しすぎて押し倒してしまいそうだったからで……単に、ヘタレでした」


 俺は今まで内緒にしてきた、蓮見からも引かれたことを杏純ちゃんに話した。


 ――結果、彼女の反応は少し驚いた程度で「そっか……そうなんだ、良かった」と言って安心した顔を見せてくるだけだった。