イケメンなのに超ヘタレな残念男子と、無自覚な隠れモテ女子の恋の話。





 俺と杏純ちゃんと出会ったのは今から十年ほど前の小学生の頃だ。当時俺は、ふっくらしていて今のようにかっこいいとは無縁だった。
 それに女顔で名前も女の子っぽい名前だったからそれもコンプレックスひとつで外に出ることすら嫌だった。

 でもそんな時、杏純ちゃんに出会った。同じクラスの男の子たちに「太っちょ」とか「女っぽい」とか言われて泣きそうになっていた時に助けてもらった。


「――千悠くんは、千悠くんだよ。みんなと違って当たり前じゃん、だから大丈夫だよ!」


 そんなこと言われたことなくて驚いたけど、でも、とても心が軽くなった気がした。その時、俺は彼女に釣り合う男になろうと心に決めた。
 だけどすぐに転校することになって離れ離れになってしまったけど……やっと、この街に帰って来れて彼女が受験するこの高校を俺も受験して今に至る。