それからまた一年経ち、二年生に進級すれば同級生からお友達になっていた。


「桜さん、おはよう!」
「おはよう、……市姫くん」


 何故か元気に挨拶する学校の人気者。一方で、私は可愛くもないし洒落気もない真面目しか取り柄がない地味子。

 そんな二人が一緒にいても何故か誰も文句を言う人はいなくて距離は徐々にゆっくりと縮んでいき……三年生になり、彼から告白されて私も彼のことを気になっていたので付き合うようになった。

 でも、付き合って彼氏彼女になってから千悠くんから話しかけてくれなくなって挨拶だけで素っ気ない感じになって――今に至る。




 私は、空き教室の隅に体を小さくして座っていると「桜ちゃん?」と声をかけられて顔を上げた。