イケメンなのに超ヘタレな残念男子と、無自覚な隠れモテ女子の恋の話。




「これは? どうしたの?」

「担任から労いのアイスだよー」

「そうなんだ。じゃあ、果実いっぱいゆずアイスにしようかな。いい?」

「全然! 早いもの勝ちだからね、ふふ」


 私はビニール袋に手を突っ込みカップアイスをとった。


「ありがとう」

「いいよーじゃあお疲れ様! 文化祭回ってきてもいいからね!」


 私は、カップアイスの蓋を取るとスプーンで掬って食べた。冷たくて美味しい。でも、なんか少しだけ寂しい。

 食べ終わる頃には、控え室にはあんまり人がいなくて一人で回ろうかスマホを見るとタイミングよく通知音がして震えた。


【新着メッセージあります】


 その通知をタップすれば、千悠くんとのトークページに飛ぶ。
 そこには【もし良かったら、一緒に回らない?】というメッセージが来ていた。だからそれに【行きたいです】とだけ打って送るとどこにいるのか知らないのに控室を出た。