「俺の頭の中にはね、瑠々しかないよ」
嘘ばっかり、って言おうとしたのに。
「瑠々は、俺と回るの嫌?」
頭をぶんぶん横に振って、精一杯否定を示した。
なにか言おうとしても、胸が詰まって言葉が出てこないの。
利瀬くんの言葉が頭の中でリピートされて、何度も何度も繰り返される。
『俺の頭の中にはね、瑠々しかないよ』
この言葉の意味は、なに……?
私、勘違いしちゃうよ……?
「…じゃあ、約束ね。忘れないでよ?」
「っ、うんっ…!」
何とか声を振り絞って出た声は、どんなに弾んでいただろう。
私の気持ちがバレちゃってるんじゃないかなってヒヤヒヤしたけけれど。
「楽しみにしてるねっ…!」
なんだかもう、今すぐこの気持ちを伝えたい衝動に駆られそうになった。
だから…文化祭の日に、利瀬くんに告白するって決めたよ。
せっかく利瀬くんが誘ってくれたんだもん。
もし振られちゃって気まずくなったとしても、泣かないように頑張るから。
どうか、溢れそうなこの想いだけでも伝えさせて欲しい。
利瀬くんなら受けとめてくれる…よね?