優しく触れる指先。
歴代の彼氏や佑人だって同じように髪に触れたりするのに、先生のそれは全然違う。

髪の毛一本にも神経が張り巡らされているようで。
撫でられる度に体がびくんと反応を示す。

薄暗くてぼんやりとしてる視界なのに、先生の口元にあるほくろは瞬時に視線が釘付けになる。
色気たっぷりで、ドキッとしてしまうから。

無意識に指先がそこへ伸びていたようで、人差し指がパクっと先生の口の中に!?
チュ~ッと吸われ、ぺろりと舐められてしまった。
もう先生っ、エロすぎますっっっ!

キスもそうだけど、やっぱりこういう仕草を体感すると、先生が経験豊富な大人の男性だと思い知らされる。
私なんて、きっとひよっこくらいにしか思わないだろうな。

指先から手の甲に、手の甲から腕にキスを落とし、腕から首筋へと這い上がるように唇が迫って来る。
首筋から耳朶に伝い甘噛みされ、ゆっくりと唇に辿り着く。

三時間ほど前にしたキスの余韻がまだ残ってるのに、上書きするかのように啄んで来る。
優しく何度も角度を変えて、はむはむと焦らされながら先生の唇の感覚を植え付けられているようで。

くっついては離れてを何度も繰り返しているうちに、離して欲しくないとさえ思えるほどに酔いしれて…。
蹂躙するように甘く侵される口内の刺激は、まるで媚薬のよう。

こんなにも翻弄されるような気持ちいいキスは初めて。
大好きな人とするキスは、こんなにも甘く魅惑的なんだ…。

うっとりとなすがまま、先生から与えられる全てを受け容れていた、その時。
Tシャツの裾からツーっと先生の手が滑り込んで来た。

「ぃやっ……」