「はっきり言いますが、私はあなたが兄を選んだ時にはすでに恋情が完全に消えました。今、私が愛するのは…アリシア。彼女だけです」
ヴァイスさんはあたしの肩を抱きしめ、そのまま抱き寄せてきた。
「いまも、これからも。私が愛する女性は未来永劫アリシアだけです」
「ヴァイスさん…」
ヴァイスさんがみんなの……メローネさんの前できっぱりと言い切ってくれた。あたしを愛するのだと。
それは、とてつもなく嬉しくて幸せな出来事。
お互い告白しあって気持ちを確かめて……身体も許したけど……その先がどうなるか不安があった。誠実な彼だから、いい加減なことはしないと信じていたけど。
「私は臣籍降下し、アリシアを妻に迎えます。母上にはお許しを得て、公爵の爵位を近いうちに賜わります」
ヴァイスさんはこうしてあたしとの将来をきちんと考えてくれて、しかもみんなの前で宣言してくれたんだ。
このひとを好きになってよかった…と心底思う。
メローネさんは茫然自失状態であったけど…
突然、大声で笑い始めた。
「アハハハハ!なによ、それ?そぉんなへちゃむくれな小娘を愛する…ヴァイスったら、おかしくなっちゃったの?」
お腹を抱えたメローネさんは、今までのか弱い雰囲気が嘘のように、ギッとあたしを睨みつけてきた。
「こおんな貧弱なブスを愛する…?ヴァイス、冗談にしてもたちが悪いわよ。本当はあたしが好きなくせにねえ…照れてるの?」



