「ごめん、バーミリオン。そんなつもりはないよ!」
《うるせぇ!結局、アリシアは騎竜ならバハムートか古代竜がいいんだろ!どーせオレ様はファイアドラゴンくずれだからな…ちくしょー!》
ぽろぽろと涙をこぼすバーミリオンなんて、初めて見た。いつもいつも強気でお調子者だけど…バーミリオンだって傷つくんだ。
自分自身のバカさと愚かさに腹が立つ。
「バーミリオン、待って!」
羽ばたき始めた彼に、懸命に追いすがった。
今、別れたら二度と会えなくなる気がして。
《うるせぇ、うるせぇ、うるせー!!おまえが勝手なら、オレ様も勝手に生きる!誰かの騎竜になってやるからな!》
「そんなの…嫌だ!」
ショック過ぎる発言に頭が真っ白になったあたしは、バーミリオンの身体にしがみつき、離れまいと抱きついた。
「あたしは……あんたがいなきゃ嫌だ!あんたが他のひとの騎竜になるなんて…嫌だよ!お願い、バーミリオン…あたしの…あたしだけの騎竜になってよ。あたしはあんた以外嫌だ!!」
ついつい、あたしのわがままな本音が溢れ出す。
全身全霊の力で彼を引き止めようと、精一杯抵抗した。
「バーミリオン、一緒に竜騎士になって今までどおり暮らそう!あんたのわがままはなんでも聞くから…」



