ヴァイスさんはあたしを一度離すと、真剣な顔で告白してくれた。

「アリシア……改めて言わせていただきます。私はあなたが好きです…世界中の誰よりも愛しています。私の恋人になっていただけますか?」

より熱っぽく、あたたかな眼差し…。

包み込まれるような甘くてあつい幸せに、全身が震えた。

「……本当に、あたしでもいいの?」
「はい」

ヴァイスさんは迷いなく答えてくれるけど、どうしても訊いてしまう。

「身分もなく、ちっこくて…可愛くもないのに?」
「身分はありましたが…そんなことは関係ない。私は、あなただから愛したのです。ありのままのあなただから、いい。偽り噓で塗り固めた女性ではなく……明るくて前向きで頑張り屋…そしてドラゴンだけでなく他の生命たち……すべてを愛し慈しむあなただから愛しています」

そして、ヴァイスさんはこうも言ってくれた。

「あなたは、他のどの女性よりも美しい。比較など無意味です。あなたの輝きはあなただからこそなのですから」

あたしの顔に手を添えたヴァイスさんは、そう微笑んで間近で見つめてくる。彼の淡い色合いの瞳に自然と吸い寄せられた。

「……はい。あたしでよければ……」

震える唇で、そう答える。

満月の月明かりに、ヴァイスさんの白銀色の髪が輝く。彼こそ美しい。まるで美の化身のような美しさなのに…そんな彼からの言葉はまるで月の雫のようにスッと落ちて心にしみわたる。

自然に、落ちてきた彼の顔を。唇を受け止める。

シルヴィアの背中で満点の星空と満月を背に、あたしとヴァイスさんの影が重なりあった。