ヴァイスさんとクロップス卿が旅立った後、リリアナさんとともにバーミリオンに乗ってアプリコット城に戻ると…。
一番高い尖塔の上に見覚えがある紫のエニシェントドラゴンが座っていて、その背中から飛び降りてきたのが、身体にぴったりフィットする赤いワンピースを身に着けた女性。
流れるようなストレートヘアを背中に流し、切れ長の青い瞳を持つ他を見ない美貌。20代にしか見えない若さだけど、実年齢はおそらく60を過ぎてる。
「おばあさま…!?」
「よ、久しぶりだなぁ」
いつものノリで軽く片手を挙げたおばあさまだけど……。
「セシリアと一緒に来たんですか!?この敷地に入る際には警備や結界とかあったはずですけど…」
「ん?んなもんぶっ壊してやった。ま、後でちゃあんと修復してやったけどな」
カラカラ笑うおばあさま……相変わらずで、なんだかほっとして懐かしい。
たった4ヶ月近く離れてただけなのに、何年も会っていなかった気がした。
「おばあさま、どうしてこちらへ?あと、あちらの守護はいいんですか?」
「んー…ま、ひとまず中に入ろうや。腹ペコなんだわ」
おばあさまはあたしの背中をバンバン叩くと、スタスタとアプリコット城の内部へ入っていく。
「あ、あの御方は…?ずいぶん派手な格好をなさっておられますが…」
リリアナさんが驚愕するのも無理はない。なにせ、膝上30センチの超タイトミニスカートに、ノースリーブノーカラーの胸もと大開きの身体にぴったりフィットした赤いワンピースを着てるんだから。
「あー…あれがあたしのおばあさまでして…」
「えっ…」
うん、固まるのはあたりまえだよね。
色々ツッコミどころ満載だから。



