休日の自主練というのにいつの間にか教官全員が揃い、候補生達の指導をしていた。
候補生も全員集まり、ワイバーンの飛行訓練に挑む。
休日も授業も関係ない。
みんなが、一つの目標に向かって頑張っている。
こんな連帯感と充実感は、ひとりの時にはないものだった。
「よーし…よし、いいぞ!…やった!うわぁーー」
ザラードもようやく落ちずに超低空飛行を成功させた。着地後すぐに落ちたけど…たった数mでも当初から比べれば格段の進歩だ。
彼に駆け寄って起き上がるのを助けながらお祝いを言った。
「ザラード、やっと飛べたじゃん。よかったね!」
「いてて…うん、アリシアの指導がよかったからだよ」
「ううん、ザラードの努力の賜物だよ。このところ頑張ってたもんね」
ほんと、ザラードは努力家だ。ワイバーンの飛竜訓練だけでなく、ヤークにも乗って慣れる訓練をしたり。姿勢を保つために腹筋や背筋を鍛えたり…。早朝走り込みまでしてるのを見た。
もともとひょろっとした体格だったけど、このところの鍛錬のおかげか少しは筋肉がついてきてる。
(ただ、筋肉を増やすと体重も増えるからな…)
飛竜にとってパートナーの体重はなるべく軽い方がいい。ザラードは筋肉をあまり付けないで済むようにアドバイスした方がいいかもしれないな。



