「そうなの? なら俺が送ってあげるよ。君、かわいいから、一人でいたらあぶないよ」 けど、男の人は強引に手をつかんでくる。 その強さに、私は警戒感を強めた。 男の人の目はギラギラと嫌な光を放っていた。 これは、単純ではないやつだ――瞬時にそう察して、背中にひやりと悪寒を感じた。 この男の人は、ただの人間じゃない。 ヴァンパイアと人間の血が交じり合った存在。 混血ヴァンパイアだ。