次の日の朝。
キッチンから忙しなく聞こえる、癒しの音と甘い匂いに誘われて、目が覚めた。
妹さんのベットで寝るのは、申し訳ない気持ちもあって、リビングのソファで寝させてもらった。
キッチンの方を見ると、海島先輩が1人で朝ご飯の支度をしていた。
「おはようございます。何か手伝いましょうか?」
「おはよう、紫明ちゃん。
大丈夫だよ、危ないからゆっくり座って待ってて。」
「わかりました。」
何でも出来ちゃう海島先輩、本当にすごいな。
優しいお兄さんに育てられた妹さんってどんな人なんだろう。

スマホを見ると通知が来ていた。
愛花からだ。
“今日、ドームでキャンディーズのイベントLIVEあるから一緒見に行こ!
チケット手に入ってる!”
「キャンディーズのLIVEかぁ、行ったことないなぁ、。」
「咲彩のこと?」
「あ、はい。
なんか友達が行きたいらしくて、。」
「そうか、じゃ、その子も一緒に行くか。
僕もちょうど行くところだったから。
一緒に乗せていくよ。」
「ほんとですか?ありがとうございます!」
海島先輩がついてくれるのは、とても心強い。

「はい。おまたせー。」
「うわぁー、すごぉーい!!
めちゃくちゃ豪華、高級ホテルの朝食みたい!」
「海島先輩特製のフルーツパンケーキだよ。」
これ、実はダイヤモンドクイーンの1番好きな料理。
んまぁ、お口に合わないわけが無い。
「んーーー♡♡うんまぁーーー!
朝からこんなに甘いパンケーキとフルーツが食べられるなんて幸せだよ♡」
「それは良かった。」
懐かしい。
いつもダイヤモンドクイーンは、気品があるのに、どこかに無邪気さを感じるような顔をして食べていた。
「ご馳走様でしたー!」