名前、なんて……そんな個人情報教えたら、わたし今度こそ殺されてしまうんじゃ。絶対に言えない。言いたくない。
だって、怖すぎるから……っ。
「あー……、あれか。この街を支配するおれに名前を知られちゃあマズいってわけ?……でもさ。諦めた方がいい」
「ぇ……っ?」
「おれは最初から、お前の名前知ってるからね」
飛鳥馬様の偽りの優しいの声が、一気に低く不気味な声になった。
「な、なんで……っ!」
「なんで?そんなの、決まってるでしょ。この東ノ街に生まれた時には必ず、霜蘭花に個人情報公開しなきゃいけないからだよ」
住所も、性別も、名前も、血液型も。その他諸々、全ての情報を公開する。その一部でも漏れがあった暁には、霜蘭花から直々に厳罰が下る、と。
飄々とした表情をして、そんなとんでもないことを軽々と言ってのけた霜蘭花派皇帝、飛鳥馬様。
「それをおれたち飛鳥馬一族は、代々“情報公開法”と呼んできた。この日本にも実際にある法だよ。



