気が動転して、普段は言わない変な言葉を小さく叫んでから、その場から逃げ出した。
「はは…っ、行って参りますって、やっぱ最高に可愛いな。───さすが、飛鳥馬麗仁が気に入ったってウワサの女だけはあるな」
だから、わたしは神楽様が最後に呟いた声を聞き流してしまった。決して聞き逃してはいけなかった、悪意あるその低い声を。
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講堂の隅に行って一直線に講堂から走り出ていく間、目を横に向けながら講堂にいるみんなを見渡す。
誰にも話しかけず、不機嫌に眉をしかめて腕を組み、席に座ったままのご令嬢や、神楽様のように庶民の女の子に話しかけに行っているご令息方。
一般組の男子たちは萎縮しながらも、ご令嬢に話しかけられると顔に花を咲かせて嬉しそうな表情を浮かべている。
なんだ……、みんなちゃんと、交流してる。その光景にどこか喜びや安心感を感じながら、わたしはなるべく誰にも気づかれない内に講堂から出た。
「はぁ、はぁ…っ。一安心、かな」
肩で息をしながら、講堂から校舎へと続く石畳の道を走って誰もいない階段のある踊り場まで来た。
美結ちゃんも伊吹くんも、わたしがいないことにいずれ気づくだろうけど、少し時間が経ってからまた戻れば問題ないはず……。



