周りがざわざわとしだす中、呑気にそんなことを考えていると、トントンと軽く肩を叩かれた。
美結ちゃんかな……?と思いながら振り向くと、そこには
「君、お名前はなんて言うの?僕に教えてくれない?」
にっこりとした可愛い笑みを浮かべた美男子が、わたしに向かって首を傾げていた。
……え。
どこぞの御曹司が、わたしみたいな庶民なんかに話しかけてる……?いや、そんなはずないよね……っ!?
「え、えっと…わたしの名前は七瀬彩夏です。あ、あなたは……」
「彩夏ちゃんかぁ〜!可愛いお名前っ!それと僕は───神楽財閥の1人息子、神楽 千明と申します。以後お見知り置きを」
可愛い口調から一転、なんと神楽財閥の1人息子であられるらしい神楽様を包んでいた明るい雰囲気ががらりと変わり、落ち着いた大人の雰囲気へと変化する。
そのギャップに、無意識にも胸がドクンと高鳴る。



