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「ねぇあやちゃん」

「ん、なぁに麗仁くん」


「おれ、こんなに幸せでいていいのかな……」


唐突な質問に、言葉が詰まった。

それは、その内容が自分に重なったから。


幸せな日々が続けば、不安になる。


わたしにとっては、それが当たり前だった。

麗仁くんにとっても、きっとそうなのかもしれない。


愛しい人の腕の中、麗仁くんの胸板に背を預けて、そっと寄り添うわたしたち。


「幸せでいていいの!いちいち不安になってたら、きりがないでしょ」



そうやって、自分を奮わせる。


「ふふ、あやちゃん強がってる」