冷酷総長は、彼女を手中に収めて溺愛の檻から逃さない。



「あははっ、……て、は?なに、」


わたしの言葉に、神楽様が今明らかに動揺を表にした。透き通るほどに綺麗な灰色の双眼がゆらりと揺れる。



「自分をヘンに作っているよりも、ずっと良いです。わたしは今の神楽様の方が少しだけ接しやすいです」


わたしの言葉に、神楽様がポカン…と口を開けて驚いている。そしてだんだんと頬に熱が集まるようにして、顔が真っ赤になっていた。


こんな言葉をかけられるの、慣れてないのかな……。


「神楽様、顔が赤──」

「っ、一旦黙ろうか。今から喋んの禁止」



顔を覗き込もうとしたら、神楽様の手で視界が覆われる。その手を逃れてもう1度神楽様の様子を確認すると、今度は神楽様自身が自分の顔を腕で隠してしまった。



「あ゛ー、あいつや天馬様がこいつを好きな理由、分かっちゃったじゃん……」

「え、何か言いましたか?」



もごもごとした口調で喋るから、全く聞こえなかった。