冷酷総長は、彼女を手中に収めて溺愛の檻から逃さない。



いつ寝落ちなんかしてしまったんだろう。

病室に取り付けられている窓の方を見ると、外はもうすっかり日も落ちて暗くなっている。


マズい、……。これじゃあ帰れないかも。


今日は満月だからか、次がいつもよりずっと下の位置で煌々とした強い光を放っていた。

いつもは銀色に煌めく月が、今日はオレンジと金色を混ぜ合わせたようにして輝いている。


「お、お父さん……っ。なんで起こしてくれなかったのっ」


ばっと勢いよく体を起こして、問い詰める。

きっとわたしのためを思って寝かしておいてくれた父の優しさなのだと分かっているけれど、この世界で生きていくにはそんなことはしていられない。


わたしたちの時間はいつも有限なんだ。


「ご、ごめんね。彩夏があまりにも気持ちよさそうに寝ていたものだから、起こすにも起こせなくて……」

「……っ、そっ、か」



そこまで申し訳無さそうに謝られたら、わたしの良心が傷つく。