冷酷総長は、彼女を手中に収めて溺愛の檻から逃さない。



……どうして、今になってようやくあの夢を見たのよ。


妙にハッキリとした夢だった。

妄想でも想像でもなく、確実にあれは実際に起こった出来事をわたしに見せていた。



「あの夢の少女と少年は───確かにわたしと、飛鳥馬様、だった……」


 ♦


とんでもない事実が判明してから、1週間が経つ。

時の流れはあり得ないほどに速い。高校生になってから、よく思う。



「な、七瀬さん……っ。もしよかったら俺と、つつつ付き合ってください!」



この人、きっと凄く緊張してるんだろうな……。

噛み噛みな告白で悟っちゃうよ。



「ありがとう。……でも、ごめんなさい。あなたとは付き合えません」



唯一良かったと思えるのは、伊吹くんという存在がわたしの世界から消えて、こんなわたしなんかにも告白してくれた男の子たちにちゃんと“ありがとう”を言えることだ。