冷酷総長は、彼女を手中に収めて溺愛の檻から逃さない。



『……っ、うそ嘘。本当はめっちゃ心配したし、焦りも、した……』

『……!ほんとう??』

『うん、ほんと。……怖がらせてごめんな。そんなつもりはなかったんだ』



別人かと疑うほどに角が取れて柔らかくなった声音に、少女はほっと胸を撫で下ろした。



『ふふっ、嬉しい!わたし、しあわせっ』



少年を今まで以上にぎゅっと強く抱きしめ返す少女は、満面の笑みを浮かべていた。

それはどこまでも純粋で、底しれない透明感がある。


『……おれ、お前のこと幸せにできてんの』

『うんっ。あや、りとと居れて幸せ!』



嬉しそうに笑う少女とは反対に、その少年は少しだけ泣きたそうな、苦しさを押し殺したような、そんな歪んだ表情をしていた。


 ♦


ピピピピッ、ピピピピッ……。

スマホのアラーム音が、遠い意識の先で微かに聞こえてくる。