冷酷総長は、彼女を手中に収めて溺愛の檻から逃さない。



「飛鳥馬、様……?どうされたので──「ほんと、やめてよね」



勢いよく遮られる。

飛鳥馬様の声がいつもよりも一段と低い。

少し荒ぶった様子の飛鳥馬様に、ビクリと肩が震える。


どうしよう、わたし、飛鳥馬様のご機嫌を損ねてしまったの……?

俯いたままわたしと視線を合わせようとしない飛鳥馬様を見つめていると、不安な気持ちがどんどん大きくなって、そのかさを増す。



「───…っ、ほんっと、あやちゃんはおれを振り回すのが得意なんだから」



その耳たぶが、真っ赤に染まっていた。

わたしと視線を合わせようとすることなく、恥ずかしそうに顔を俯けた飛鳥馬様。


どうやら、怒っているわけじゃ、ない……?

そう感じて、心の奥底から体の力が抜けるほどの安堵感が溢れ出てきた。