入学式が始まる。

新入生代表の挨拶は、勿論第一王子でいらっしゃるロイド様である。

新入生代表の挨拶を凛とした姿でされるロイド様に、他の新入生たちは釘付けだった。

「これから先の学園での生活を皆で有意義なものにしよう」

そう締め括《くく》ったロイド様に大きな拍手が起こった。

入学式が終わり、会場を後にしようとした私をロイド様が呼び止める。

「ティアナ、放課後の予定はあるか?美味しい紅茶を手に入れたんだ。よければ、一緒に飲まないかい?」

入学式で集まった生徒たちが、私たちに注目している。

ロイド様に近づかないようにするといっても、ここで断ればフィオール家が王家の誘いを断ったと噂される。

「分かりましたわ。御一緒させて下さいませ」

私はそう述べて、入学式の会場を後にした。