「ティアナ」

「どうされました?」


「君はこれからは、もう私の婚約者だ。他の者に目を向けてはいけないよ」

「ただ・・・」


ロイド様が私に深く頭を下げた。

「王家の決定を覆《くつがえ》すことが出来なかったとはいえ、君の了承を得ずに婚約を決めてしまったことは本当にすまなかった」

「ロイド様のせいではありませんわ」

ロイド様の誠実でいらっしゃる所が大好きだった。

しかし、そんな誠実なロイド様は私を捨てて、リアーナを選ぶ。

それほどまでに二人は惹かれあっていたのだろうか。