ロイド様との婚約が決まった3ヶ月後、私達の婚約記念パーティーが開かれた。

会場に入る前の控室で、ドレスに着替えた私をロイド様は訪ねていらした。

「ティアナ嬢、入ってもいいだろうか?」

「ええ、大丈夫ですわ」

私のドレス姿を見たロイド様が嬉しそうに微笑む。

「とても綺麗だね。誰にも見せたくないくらいだ」

ロイド様の甘い言葉に、心を乱されないように私は深呼吸をしてからお礼を述べた。

「ねぇ、ティアナ嬢。私達は婚約を交わしたのだから、これからは「ティアナ」と呼んでも良いだろうか?」

「構いませんわ」

前の人生でも、ロイド様は婚約後から私を「ティアナ」と呼んでいた。