「ねぇ、ネルラ」

「ティアナ様、どうされましたか?」

「ロイド様は、幸せなのかしら・・・?」

前回の人生も、その前の人生も、私はロイド様に愛されたかった。

そして、ロイド様を愛して、幸せにしてあげたかった。


「ティアナ様。ロイド様が幸せでいらっしゃるかはロイド様しか分かりませんわ。しかし、ティアナ様がロイド様の幸せを願うのは自由です」

「ティアナ様が大人っぽくなられてから、本当に笑顔が増えました。しかし、何か悩みを抱えていらっしゃるのかあまり夜も眠れていらっしゃらない」

「どうかティアナ様がロイド様の幸せを願うように、私にもティアナ様の幸せを願わせて下さいませ」


ネルラが優しく微笑んだ。

前回の人生では、気づかなかった周りの人の優しさが今なら分かる。

「ありがとう、ネルラ。では、私もネルラの幸せを願ってもいいかしら?」

「ティアナ様に願って頂けるなら、絶対に幸せにならないとですね」

ネルラはそう述べて、私の髪を優しく撫でた。