今の私はまだ8歳である。

少しくらい子供っぽい言動をしても許されるだろうか。

私はわざとらしく顔に手を当てて、首を傾げた。

「あら、私は楽しい話しか聞かなくてよ?」

ロイド様がそんな私の言葉に吹き出した。

「ははっ、じゃあ精一杯面白い話を考えないとね」

そんなロイド様の笑顔はいつもの大人びた表情ではなく、ただの8歳の少年に見えた。


ロイド様、前回の人生でも、その前の人生でも同じですのよ?

私は楽しい話だから、聞いていたのです。

好きな人の話だから、どんな話でも楽しくていられなかった。

ロイド様を愛していたからです。

でも、何故でしょう?


今回の人生でも、貴方と話せることが楽しくて仕方がないのです。